投資哲学

再び(3周目)『賢明なる投資家』を読んでみた

2014年に旧NISAで始めた株式投資。

手元資金がなかったため数十万円の少額でのスタートでした。

それでも現在は相場のおかげでありますが、含み益も増えて資産規模も「目標とする1億円」に近づいてきました。

果てしない目標であったはずが堅実に資産を増やすという想いで株式投資に取り組んでいると、「資産1億円」に到達できると確信に変わってきました。(我がファンドは10年から15年以内に到達できそうです)

ただその目標は何のために設定したのか忘れないようにしたいものです。

(自分たちがしたいことをしたい時にするための経済的自由を手に入れるためのものであるということ。)

ではしたいこととは何か。それはここでは語れません。

なぜならまだ見つかっていないからです。

なら探せばいいでしょう。

将来きっと点と点は繋がると信じて、妥協せずに探しつつければきっと見つかるはずです。

話が少し脱線しましたが、話を株式投資に戻します。

最近確信したことが2つあります。

一般的な投資家でも『投機』をしなければ資産1億円というハードルは思ったより高くなく、ただベンジャミン・グレアムのレベルを目指すとなると困難になってくるということ。

資産を「増やすこと」は大切だけれども、資産を「維持すること」「減らさないこと」も、大切だということです。

それを学べるのがベンジャミン・グレアムです。

これから株式投資をする方は何からしていいかわからないと思います。

そんな人にオススメなのがベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家』を読んでくださいと言いたいです。

分からないところがたくさんあると思いますが、まずは読み進めてください笑

投資で成功するための哲学を学ぶことができます。

youtubeでどの個別銘柄がおすすめかを探すことより、自分で判断して投資できるようなるためにまずは投資概念や投資哲学を学ぶことが絶対に必要です。

人は過ちを繰り返します。

投資哲学に沿ったしっかりとした習慣を身に付ければ、同じ過ちを行う確率を減らすことができます。

そんな私は株式投資を始める時にベンジャミン・グレアムの『賢明なる投資家』を初めて読みました。

1周目はとても難しかったと記憶しています。

数年後にもう一度読みました。(2周目)

その時も難しいこと書いてあるなと改めて感じました。

そしてグレアムの投資哲学や投資概念をを確認することにより今後の暴落資産を維持するために、3周目となる『賢明なる投資家』を読んでみました

(読んだ箇所は第1章 投資と投機、第8章 投資家と株式市場の変動、第20章 投資の中心的概念「安全域」)

今回のブログは、「投資と投機の違い」について”ベンジャミン・グレアムの名言”にたくさん触れると共にその3周目の振返り備忘録になります。

投資家が利益を追求するのは、必然的であり、理にかなったことだ。

だが、その思考こそが真の意味での危険を伴うものであり、投資家を投機に駆り立てるものである。

成功に近づくには、その道のメンターに導いてもらう必要があります。

lets read 『The Intelligent Investor』

投資と投機の違い

「投資」「投機」について、明確な区別はありません。

ただ株式投資で成功するには、この二つについてきっちりと区別できて口頭で説明できる必要があると感じています。

説明できるということは理解しているということです。

ベンジャミン・グレアムは1934年に著した『証券分析』にて、この二つについて以下のように定義しています。

投資とは、詳細な分析に基づいたものであり、元本の安全性を守りつつ、

かつ適正な収益を得るような行動を指す。

そしてこの条件を満たない売買を、投機的行動である。

約100年前に定義されているのに、現在も活用できるこの概念こそ投資哲学です。

れっしー

昔も今も人が考えることや行うことは大同小異です。

我がファンドは「投機」を「自分で何も考えずにネットの情報を鵜呑みにして株を購入すること」であると、解釈してましたがグレアムの哲学から遠からずな感じで、2度読んでいる意味がありそうです。

またグレアムは愚かと言わざるを得ない投機を以下のよう列挙しています。

1 投資と勘違いした投機

2 娯楽としてではなくて真剣に、しかも適切な知識も技術も持たずにする投機

3 リスクを許容できないほどの金額を賭けた投機

そして投機の魅力について以下のように述べています。

投機には魅力がある。

このゲームに勝っているときは、実に心楽しい。

もしあなたが投機で運試しがしたいなら、

このための資本 ー少ないに越したことはないー は他の資本と分けておくことである。

・・・・

間違っても投資資金と投機資金を同じ口座で運用してはならないし、頭の中で混同してもいけない。

投機はギャンブルと同じで勝った時の高揚感が忘れられないために、何度も売買し(三流銘柄に追加資金を投入し)最終的には手元にお金がなっていく行動を指すという教えだと思います。

株式市場の変動に対する臨み方の違い

次にグレアムは、「投資家」と「投機家」について株式市場の変動に対する態度の違いを取り上げています。

価格変動の波を避けることはできない

そもそも株式に投資するからには、優良銘柄であっても手持ち株の株価が変動することは覚悟しなければなりません。

投資家と投機家の最も現実的な相違は、その人が市場変動に対してどのような態度で臨むかという点である。

投機家の最大の関心事は、株価の変動を予測してそれによって利益を得ることであり、

投資家の最大の関心は、適切な証券を適切な価格で取得して保有することにある。

れっしー

株価の上下に一喜一憂することなく、

冷静に行動しなければなりません。

我がファンドは、株価を予測することで利益を得ることを目的としていません。

しかし色んな誘惑に負けて「適切な価格」で取得できたのか疑問の余地が残る保有株も存在します。

今後は「適切な価格」で取得することをもっと意識した方が良さそうです。

そもそも我々は相場予測に縛られすぎている

また投機家、機関投資家、我々を含め全員に当てはまることですが、揺れ動く株式市場の変動に対して、見解を持つことが何かしらの意味を持つと妄信しがちです。

相場に対して見解を持つことがなぜか大切と思っています。

変動を覚悟することと変動に対し何か見解を持つことは全く別のことです。

株を買う投資家も投機家も、相場予測に十分注意を払わなければならないという原則に凝り固まっているように思える。

その理由は将来の株価について何らかの見解を持つことが重要であると彼らが思い込まされて来たからであり・・・

・・・証券会社などが下す予測は少なくとも自分の予測よりは信頼できるものだと、彼らが考えているからに他ならないのである。

投資を始めたころのアルアルがあります。

一般の投資家は経済アナリストなどと呼ばれる専門家やテレビのコメンテーターの意見は正しいとか信頼できるものだというバイアスがかかっています。

自分の大切なお金を見ず知らずの自称専門家に委ねているのと同じです。

相場の行方は誰にも分からないと言うことを肝に銘じておきましょう。

日々刻々と知ることができる株価を予想することは、無意味かつ不可能です

一般の人々が相場予測で儲けれれるなどという考えは、バカげている。

もしも彼が株価予想に重点を置くタイミング手法をとれば、その人は投機家に成り下がり、投資結果も投機家のそれと同様に終わるであろうことも確かである。

ただ株価予想が無意味だとしても、投資家にとって相場の動向の重要性についても話をされています。

それは価値からみて、安値で購入できたり高値で売却できたりするからです。

現在トランプ関税により世界同時株安になっています。これはチャンスなのです。

では投資家が取るべき投資方針は

ここまでグレアムの言葉と共に投資家と投機家の株式市場に対する臨み方を見てきました。

では株式市場を予測しないで、自称専門家の意見も聞かずに、株式市場に対して投機家でない投資家が取るべき方針について以下のように示してくれています。

①グレアムはまずは株の価値に判断基準を置いて、次に株価水準に応じて株式と債券のポートフォリオの比率を変更するべきだと教えてくれています。

②また弱気相場が来るまで投資を行ないことは、配当金収入や投資機会の損失になるため現実的ではないとも述べられています。

グレアムの方針は株式市場の相場に合わせて株式と債券の比率を変更することと、弱気相場まで待つことは投資機会の損失になることの2つです。

この2つの方針については、最近読んだ本『ニック・マジューリ(2023)JUST KEEP BUYING 自動的に富が増え続ける「お金」と「時間」の法則 ダイヤモンド社』からも有効であるとデータで証明されていました。

まずはその本を読むことをオススメします。

本を読む前にチラッと知りたい方はこちら↓をご覧ください。

TURNING POINT FOR SAVING MONEY IN CASH 日々YouTubeや読書により投資とお金の勉強を行っていると、 正直言うとyoutubeからは自分が知りたい新しい情報を得られる...

では投資と投機の違いについて、引き続きグレアムの名言から叡智を感じ取りながら続けていきます。

投資家は安全域を利用する

投資と投機と違いについて、投資家は安全域を利用します、投機家は思いつきを利用します。

安全域の概念を利用することこそが投資と投機の分かれ道となる

安全域とは、投資家が被る損失や投資の失敗から守ってくれる余裕幅みたいなものです。

大きければ大きいほどいいとされています。

また債券や優先株だけでなく普通株にも当てはめることはできるそうです。

そして真の投資には「安全域の概念を利用すること」が不可欠であるとグレアムは提唱しています。

われわれは、投資による売買と投機的売買とを区別するための優れた資金石として、安全域の概念が利用できる可能性を提起したい。

真の投資には安全域が不可欠だということである。

そして真の安全域とは、数字や筋道の立った論証、また実際の経験に照らして証明可能なものでなくてはならない。

果たして我がファンドの今までの投資全てについて、説明できるだろうかと自問自答中・・・

では安全域の概念は今でも通用するのか

新しい投資手法は初めは上手くいくが、いつかそのうちに成果をあげることが難しくなります。

それは市場参加者が真似することにより、他を出し抜くことができなくなり結果が同じになるからです。

この考えから言えば、グレアムが提唱した「安全域の概念」はもう既に通用しないはずです。

しかし、グレアムの元で教えを受けた門下生たちは今でも結果を残しています。

世界一の投資家バフェットはグレアムの投資哲学に影響を受けたことを明らかにしています。

彼らはグレアムの安全域の概念を自分の投資方法に昇華されています。

このことから、我がファンドももう一度安全域の概念を学び直す価値があるのではないかと思います。

安全域を利用した投資とは、ファンダメンタル・アプローチをした結果、だから投資したのだと説明できなければいけないと言うことです。

数字を使って証明できる自信がない投資は、投機という事です。

我がファンドはこのレベルにまだ達していない気がします。

週末投機家から平日投資家へ

3周目の振返りをすると、このブログで私自身を週末投資家と名乗っていますが、まだまだ週末投機家だなと感じました。

今回『賢明なる投資家』で「投資」と「投機」について該当する箇所を再度読み直しましたが、正直安全域の概念だけしっくりきておらず、口で説明できるようになっていません。

何かがぼんやりしていて腑に落ちていません。

なのでグレアムのもう一つの著書である『証券分析』を読もうと思います。

安全域の概念については、概念をしっかりと学んだ上で自分なりの方法に落とし込むところまでできてこそ、意味が出てくるものだと思います。

我が子に分かりやすく説明できるように自分自身にしっかりと落とし込みしていきます。

そして「週末投機家」から「週末投資家」へ、「週末投資家」から「平日投資家(専業投資家)」になることがです。

最後はグレアムのこの言葉で締めくくりたいと思います。

株価が大幅に上昇したすぐ後には絶対に株を買ってはならない。

また、大幅に下落したすぐ後には絶対に売ってはならない。

今トランプ関税で世界同時株安になり下落してますが、落ち着いて判断したいものです。

投資と投機について、今回取り上げたグレアムの投資哲学は下記の3つです。

  1. 投資と投機の違い
  2. 株式市場の変動における投資家と投機家の関心事
  3. 安全域を使用した売買こそが投資

我がファンドは安全域を使った投資を除けば、しっかりとグレアムの投資哲学を身につけていることが分かりました。

ファンダメンタル・アプローチをしているものの、もっと安全域を使った投資について自信を持って説明できるようになりたいところです。

以上 再び(3周目)『賢明なる投資家』を読んでみた 〜投資と投機〜 でした。

lets read 『The Intelligent Investor』

参考文献

  • ベンジャミン・グレアム(2000)賢明なる投資家 〜割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法〜 パンクローリング社